2012年「グッドデザイン賞」を受賞しました

 

昨年完成しました『にしはらのながや』が、2012年グッドデザイン賞を受賞しました。『にしはらのながや』は、地上3階地下

1階建て、6世帯の住人が暮らす長屋形式の集合住宅です。都会の限られた敷地状況を鑑み、住人どうしの距離感や集まって住

む事の安心感をテーマに、生活に楽しさを与える小さなコミュニティーづくりを提案しました。

建物は中庭を囲むように4つの棟を配し、それぞれが必要に応じてブリッジで繋がっています。個々の独立性を保ちつつも、

求めれば建物の内外で住人同士の繋がりが持てる。そんな関係作りを意図しています。

 

『にしはらのながや』の姿は、事業主様の思考や情熱の反映であり、今までの賃貸物件とは異なる価値観の追求に、これから

永きに渡り営まれる事業に対する戦略が見て取れます。市場飽和の現状を思慮すれば、賃料競争からの脱却は、これからの賃

貸事業オーナー様には避けられない課題かと考えます。

また、賃貸事業の企画全体を我々設計事務所が主導したことも『にしはらのながや』の特徴です。不動産管理や金融のエキス

パートとチームを作って収支計画や融資先の紹介など全体を統括することで、市場性や建設コストの効率化を図り、より自由

度が高く、事業主様の個性をいかしながら、競争力をもった賃貸住宅の新しい形が実現できました。建設会社の選定に競争入

札方式を用いたことも、経済性の追求に繋がっています。

このような、住宅メーカーやデベロッパーとは違った解答を作ろうという試みは、新たに賃貸事業に参入される事業主様に向

けてのメッセージになりました。

 

グッドデザインは、見た目の美しさだけにあらず。

今後も、それを必要とする方々の生活に入り込んで、心地良くライフスタイル全体を包み込むような空間デザインをしていき

たいと考えています。

今回の受賞は、事業主様、我々設計者の要求に応えて頂いた建設関係者の方々など、多くのご尽力により達成されました。

改めて御礼申し上げます。